園での生活を見てみよう!

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園長だより 「躾のスタイルと子どもの語彙力について」

先日、発達心理学を専門とされるお茶の水女子大学の先生が、「親の躾のスタイルと子どもの
語彙力について」調査した本を読みました。保護者の皆様も関心のあるテーマだと思います
ので少し紹介させていただきます。 

この調査に参加した約1700名の親の躾のスタイルは、次の3つのタイプにほぼ均等に分類
されたようです。
①「共有型」(ふれあいを重視し、子どもとの体験を享受・共有するタイプ)
②「強制型」(大人中心のトップダウンの躾や力の躾で子どもを従わせるタイプ)
③「自己犠牲型」(子どもが何より大切で、子育ての負担感が大きく育児不安を感じるタイプ) 

次にその親の子どもたち(3~5歳児)の「読み書き能力」と「語彙力」を調べたところ、
躾のスタイルによって「読み書き能力」には差はありませんでしたが、「語彙力」については、
「共有型」の親のもとで育てられた子どもの方が明らかに点数が高かったとのことです。
その理由は、「共有型」の親はよく本を読み、家庭の団欒の時間を大事にし、親子の会話を
楽しむ人が多い傾向にあり、そういった家庭環境の中で育った子どもは内発的な知的好奇心を
発揮して主体的に学ぶ子どもが多いとのことです。 

そしてこの本の中で著者の先生は最後にこう述べられています。
「乳幼児期の子どもには五官を駆使した遊びを体験させてあげてください。大人は子どもの
自発性を大事に、待つ、見極める、急がない、急がせない、子どもがつまずいている時には
そっと脇から援助し、見晴しのよくなるように足場を掛けてください」と。
子どもにもいろんな個性がありこの言葉通りにはいかない場面もあると思いますが、
保護者の方も我々保育に携わる者も常に心に留めておくべきまさに金言ですね。