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2009年07月07日

「食育」の第一歩は、おうちでのお手伝いから!

6月末のある日、安武信吾様の講演を聞く機会があった。氏は西日本新聞で「食卓の向こう側」の出版企画、書籍編集された方です。
演題は「食卓で変わる、社会が変わる」だった。そのお話しの中で、大学生の日常の食生活が「朝食抜き、菓子と清涼飲料水、出来合い弁当・・・」 という実態(調査結果)を見た学者が「20年後、この学生たちの食卓はベッドの上かも知れない」という指摘をしている、というくだりが ありました。この1年余、私の耳には「食品添加物を含んだ食品の怖さ」など食育関連の情報は嫌と言うほどはいってきた。が、その間に得た知識を もって「幼稚園の食育」について何か提言出来るところまでには至らなかった。ところがこの日は違いました。大変、感銘を受けた話をご紹介します。 それは、香川県の滝宮小学校の校長先生が「5年生と6年生が 月に一回、お弁当作りにチャレンジする日」を創られた、という話です。全て「給食」 が常識の小学校で「自分で自分の弁当を作る」という目標へのチャレンジが始まったのです。いまでは弁当創りの楽しさが分かってきて、競い合って 創造的な「弁当」作りへの挑戦が続いているようです。「お弁当の日」のお陰で 友だちと相談したり、家庭・親子で共通の話題になったりして、「お弁当作り」 を介してコミュニケーションの輪が広まり深まっている、との事です。さらには、お弁当やお料理を作ってくれるおうちの人への感謝の気持ち が育っている、との話でした。
小学生弁当の傑作写真も数多く見せて頂きました。ここでお見せできないのが残念ですが、写真でみる小学生の素晴らしい創作弁当の数々は、私には (ちょっとオーバーな言い方ですが)彩り豊かな絵のようでもあり、芸術作品のようにも思えました。
ここで私は、最近の幼稚園の食育の光景を思い浮かべました。お弁当「いっただっきま~す」の様子や「野菜が好きになりますように」との願いをこめた ベランダ栽培のきゅーり・トマトをみんなで頂く姿でした。そこから、私は「園児の食育」についての考えは次のように発展しました。
『今日は何を作ろうか、という相談から始まり、お買い物に行って材料選びをしたり、お運び、盛りつけ、片付けなどのお手伝いなどを日常的、お遊び的 に繰り返す』、それこそが「食育の第一歩」では無いだろうか!食育は家庭から始まっている!という想いに至りました。
子ども達がお弁当の日に手に提げて持ってくるあのバスケットのなかは、創られた方の慈愛や子ども達のうれしさや感謝の気持ちが一杯詰まっているのだ、と あらためて思った次第です。もう10日ほどで夏休み、おうちの中でこんな場面が一杯みられる事でしょう!