先月の園長だより「近未来に備えた幼児教育」で、近い将来待ち受ける予測困難な
社会で生きるためには、「知的好奇心」や「自己肯定感」を育むこと、いわゆる
非認知能力高めることが大事で、そういう子どもを育てるには、「子どもの遊びに
加わっている時に楽しそうにする」、「子どもの気持ちについて話しをする」といった、
大人の子どもへのポジティブな関りがより大切ということを書きましたが、もっと具体的に
どのように子どもと接したらいいのか?その質問に答える本の紹介です。
本のタイトルは「非認知能力の育て方」、副題は「心の強い幸せな子になる0~10歳
の家庭教育」で、著者はボーグ重子さん。福島県出身で、アメリカ人と結婚し現在は
ワシントンDC在住、全米・日本各地で、子育て・キャリア構築・ワークライフ
バランスについての講演会やワークショップをされている方です。 本の内容は、
著者が実際にやってきた子育てを詳細に分かり易く書かれていますが、私がこの本が
参考になるなと思ったのは、著者が仕事をしながら、完璧な母親を目指そうと思って
いた時期があって、常に大きな不安や焦り、間違った子育てをしてはいけないという
プレッシャーを感じていたそうです。 そしてある日、地下鉄の車内で、些細なことで
幼い娘さんにきつく当たってしまったことがあり、その時に乗り合わせた見ず知らず
のおばあさんから、「あなた。この子は何も悪いことをしていないじゃないの!
なんて母親なの!恥を知りなさい」と言われたことがきっかけで、自分の考え方や
生活を見直し、完璧な母親を目指すことをやめたそうです。そうすると娘さんとの
関係も劇的に良くなったと書かれていました。実際その後この娘さんは2017年に
「全米最優秀女子高生」コンテストで優勝し、その後多くのメディアで取り上げられた
そうです。
「母親自身が人生や子育てを楽しむことなく、自分にダメ出ししている状況では、
子どもと楽しく接することなど出来ません」と書かれていましたが、子育てにおいては
難しいと思いますがこのことが非常に大事なことのように思います。
(小学館)