「みんなは、右手の不自由な人に『習字は右手で書くのは当たり前だ。』」とは言わない
と思います。何故なら、その人の右手が不自由であることは目で見て分かるからです。
しかし発達障がいは頭の中が不自由であるため、見た目には分かりません。だからみんな
と同じことができないと、『何でそんな当たり前のことができないんだ。』『当たり前の
ことなんだからちゃんとやれよ。』と言われてしましいます。発達障がいのある人の中には、
そのような厳しい言葉のトゲでその子やその子の親の心にたくさん穴が開いて、息ができな
くなって、しんどい思いをしている人がいます。」
これは作文の一節ですが、宝塚市人権・同和教育協議会発行の「ハーとん じんけん作品賞」
の入賞作品で、中山台幼稚園の卒園児の小学生が書いたものです。作者の児童は自らが発達
障がいであることを明かした上で、「当たり前のことができるあなたはいじめたり、責めたり、
そんな事はしないで理解しようとしてください。」「当たり前ができないあなたは、
その当たり前に少しでも近づけるように努力して、頑張ってほしいと思います。」という
文章で締めくくっています。
内容も文章もしっかりしていますが、何よりもこの作文を書いた勇気に敬意を表します。
その人に発達障がいがあるかどうかを見極めることは大人でも難しいことですが、そういう
障がいを持った人がいることを、常日頃から子どもたちに教えていくことが、学校でも家庭
でも大切なことと感じました。