8月30日に雲雀丘学園幼稚園で両幼稚園の職員研修を行い、園田学園女子短期大学
幼児教育学科の久保田先生のお話しを伺いました。久保田先生は、宝塚市が初めて採用
した男性の幼稚園教諭で、その後20数年に渡って宝塚市の私立幼稚園で活躍され、
最後の2年間は中山台幼稚園の近くの中山五月台幼稚園の園長をされていた方です。
ご近所というご縁もあり数年前から久保田先生とのお付き合いさせていただきますが、
若い頃にアジアの僻地をバックパッカーとして巡り歩いた話や、保育についてもお会
いする度に興味深いお話が伺え、是非両園の先生方にも話をしていただきたいと思っ
ていました。
久保田先生の教育方針の根幹は、押し付けることなく個々の子どもが持つ自由な意志を
最大限に尊重しながら、子どもたちを成長へと導いていくことで、決して本に書いて
あるからとか、上の先生から言われたからとかではなく、子どもたちの気持ちが最優先
される教育ということです。講演を聞いた先生方からは、「久し振りためになる講演
が聞けた。」「こんな園長のもとで働きたい。」???と感想がありました。
横道に反れ、かつ少々長くなりますが、大阪市立木川南小学校の久保校長先生が大阪市
の松井市長にした提言(全国学力テストやオンライン授業に反対する提言)が話題を
呼んでいます。上記の話と多少関連がありますので、久保校長先生の提言の一部を抜粋
して紹介させていただきます。
「『生き抜く』世の中ではなく、『生き合う』世の中でなくてはならない。そうでんな
ければ、コロナ禍にも、地球温暖化にも対応することができないにちがいない。世界の
人々が連帯して、この地球規模の危機を乗り越えるために必要な力は、学力経年調査の
平均点を1点あげることとは無関係である。(中略)子どもたちと一緒に学んだり、
遊んだりする時間を楽しみたい。子どもたちに直接かかわる仕事がしたいのだ。子ども
たちに働きかけた結果は、数値による効果検証などではなく、子どもの反応として肌で
感じたいのだ。1点・2点を追い求めるのではなく、子どもたちの5年先、10年先を
見据えて、今という時間を共に過ごしたいのだ。テストの点数というエビデンスはそれ
ほど正しいものなのか。」
この久保校長先生と久保田先生には共通する教育の思想があるように思います。
それは大人の論理を優先するのではなく、子どもの育ちを優先するということではない
かと思います。尚、タイトルからはだいぶ脱線してしまいました。