「トリセツ」というタイトルの本で知られる脳科学者の黒川伊保子さんによると、
男性も女性も人間として同じ脳を持っていますが、とっさの状況に応じて脳のどの
機能を優先的に使うかは男女で異なり、そのことを黒川さんは「男性脳」と
「女性脳」と区別して呼んでいます。
幼児期の男の子の「男性脳」は、何か一つのことに夢中になると、そのことにしか
頭に入らない。恐竜でも電車でもサッカーでも、興味の対象を見つけるとそれに夢中
になって他のことは目に入らない。「男性脳」は狩り、つまり狩猟向きに設定され
ているそうで、男たちは「遠く」を見る能力で一度獲物を発見すると、その獲物に
照準を固定し、獲物以外は目に入らない。これが「男性脳」の傾向だそうです。
一方、幼児期の女の子の「女性脳」は、例えば父親が帰宅すると、走って玄関まで
迎えに出て、にっこりと微笑んで「お帰りなさい」ということが出来る、「近く」の
ものに意識を集中させる傾向が強く、身近な人の表情や仕草を観察して、それに敏感
に反応するそうです。
女性である母親からすると、一つのことに夢中になっていつまでも同じことをしている
男の子の行動が、理解出来ないことがしばしばあると思いますが、これは太古から
引き継がれた男性の本能と諦めざるを得ないようです。