先日、伊丹市文化会館で「兵庫県私立幼稚園PTA大会」がありました。
毎年、1部は式典で2部は講演会があります。今年の講師は、古美術鑑定家で、「開運!なんでも鑑定団」
に鑑定士として、レギュラー出演をされている中島誠之助氏が和服姿で登場し、「ものを大切にすることは
人を大切にする こと」というテーマで講演いただきました。
中島氏によれば、使い切ったものは捨てるほかないが、使い込んだものは人の手に馴染み美しさや味わいが
出るそうです。そして、日本は古来より、ものを大切にする国柄で、特に値打ちのあるものは、大切に大切に
して長く使い込み、その味わいを楽しむことが出来る、文化や美意識があるとのことでした。
例えば、正倉院には1300年前に聖武天皇が使っていた物が、今もきちんと保存されています。これに対し
欧米の博物館にあるものは、ミロのビーナスにしてもツタンカーメンの黄金のマスクにしても発掘して出て
きたものが多いとのことです。
少々話が横道にそれますが、日本ほど多くの色の表現がある国はないでしょう。赤系統だけでも、真紅、紅色、
薄紅色、朱色、朱鷺色、韓紅、薔薇色、桜色などなど。ものを大切にする日本人の心が、この表現の多様さを
生み出したように思います。
中島氏は、ものを大切にするという心は、人を大切にするという心につながるとされ、可愛がられた人は、
人を可愛がり、愛された人は人を愛すると話されました。特に幼児期の子どもの健やかな成長には、親の無償
の愛ほど 大切なものないと言われます。親からの愛情をたっぷり受けた子どもたちは、ものを大切にする心を
学び、人の心を大切にする友達思いの 子どもに育ってほしいと思います。