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「フーテンの寅さんの勉強論」

私は永年会社勤めをしていたこともあり、今でも日経新聞を読んでいますが、中でも月毎に筆者が代わる「私の履歴書」は必ず毎朝目を通しています。
5月は日立製作所の川村相談役が書かれていましたが、この方は渥美清さん主演の「男はつらいよ」の大ファンで全作品を見たそうです。ある作品の中で、人生に悩む寅さんの甥から「何のために勉強するのかな」との質問に対し、寅さんは次のように答えたようです。「生きていりゃいろんな事にぶつかる。そんな時オレみてえに勉強してない奴は、サイコロの出た目で決めるよりしょうがないが、勉強した奴は自分の頭で、筋道を立てて考えることが出来るんだ」。自分の意志で人生の方向付けができる人間の大切さや立派さがちゃんとわかっている。こんなところに作品の深みがあると川村氏は書かれていました。

少し話は変わりますが、この寅さんの台詞に関連して私なりに「勉強」について考えてみますと、「勉強」とは知識を習得して考えの幅を広げることに加え、大事なことは「考える」という習慣を身に付けることではないかと思います。どんな世界の人でも一流と言われる人たち、例えば野球のイチロー選手は、今日より明日少しでも野球が上手くなるように、四六時中野球のことばかりを考えているという話しを聞きました。また、私がある会合でお目にかかった京都の老舗豆腐店の経営者の方も、「美味しい豆腐を作るのに終わりはない。毎日どうしたら美味しい豆腐が作れるか考えている。日々勉強だ」と言われていました。
もう少し深く知りたい、考えたいから「勉強」する。受験勉強ではなかなかこうはいきませんが、「勉強」とは本来そういうのではないかと思います。